Androidハンディターミナルシステム開発

 

Androidハンディターミナルとは

 スマホ等モバイル端末が一般に普及するよりも前から、製造、物流、商業の分野では、ハンディターミナルと呼ばれる小型の端末が利用されてきました。これらの端末には、それぞれのメーカの独自開発のオペレーティングシステム(*1)が搭載されており、メーカ間でアプリケーションやデータ通信方法の互換性はほとんどありませんでした。
 近年になって、Microsoft社Windows CE系のWindows Embedded Compactという小型端末組込み系のオペレーティングシステムが搭載されたものが発売されましたが、このオペレーティングシステムは、2021年にサポート終了、後継バージョンが無いことから、今後ハンディターミナルメーカ各社が搭載機種を発売続けるかは微妙なところです。
 現在では、Androidを搭載したハンディターミナルが普及しつつあります。AndroidはGoogle社が開発したモバイルデバイス向けのオープンソース(*2)オペレーティングシステムで、スマホやハンディターミナルをはじめとして様々なハードウエアに搭載でき、Androidであればメーカが違っていても基本的に同じアプリケーションを動作させることができるため、豊富な機能を利用することができ、システムの柔軟性も高く、そういった利点が評価され普及しつつあります。

  • *1 オペレーティングシステムとは、ハードウエアを制御するための基本ソフトで、アプリケーションはオペレーティングシステム上でその機能を利用しながら稼働します。OSと略します。
  • *2 オープンソースとは、簡単に入手できるよう公開され、誰でも無償で自由に使用、複製、改変、再配布、自ら開発したプログラムへの組み込みなどを行なうことができるソフトウエアを言います。ただし、利用条件や制約、利用者の義務などが一切ないわけではありません。

 

Androidハンディターミナル各種


 Androidハンディターミナルには、見た目はスマホとほとんど変わらないものから、いかにもハンディターミナルらしい形状(バーコードリーダ部分、テンキー部分が突出)をしたものがあります。
 スマホと異なるハンディターミナル独自の特徴としては、
① 1D/2Dバーコード専用リーダーを装備
② 機種によりテンキー等のキーボードを持つものがある
③ トリガーボタン等作業手袋をしたままでも操作できるよう工夫がされている(*1)
④ 耐久性に優れていることを謳い文句としている(*2)
等があります。スマホのようなキャリアデータ通信/キャリア通話が可能かについては、機種によって異なります(*3)
 実売価格的には、SIMソケット(*3)のある(キャリアデータ通信可能)機種で1台10万円から30万円未満です。

 Androidハンディターミナルであれば、メーカー、機種が違っていても基本的に同じアプリケーションを動作させることができるのですが、メーカが独自に拡張したハンディターミナル用ハードウエア(例えば1D/2Dバーコード専用リーダー、キーボード、トリガーボタン等)を駆動する必要があるため、メーカごとの作り込みが必要です。従って、アプリケーションを完成するには、使用するAndroidハンディターミナルのメーカ・機種を決める必要があります。
 弊社では、各メーカに対応したアプリ開発が可能です。Androidハンディターミナルを導入される場合にはご相談ください。
メーカ 機種
デンソーウェーブ社 BHT-Mシリーズ(IP65、IP67)
BHT-1800、BHT-1700シリーズ(IP67)
キーエンス社 BT-A500シリーズ(IP65)
ハネウェル社 Dolphin CT40シリーズ(IP64、IP65、IP68)
SUNMI社 L2シリーズ(IP67)
ユニテック社 EA630(IP64)
HT730(IP67)
Androidスマホ
Google社
サムスン社
Pixelシリーズ
Galaxyシリーズ

(Android9以上のスマートフォン)
  • *1 タッチパネルは布越しの感度が低く、物理的なボタン操作の方が確実です。
  • *2 カタログ値的にはAndroidスマホの高級機種ではIP規格(防塵防水)の高いものがあります。ハンディターミナルではIP規格に加えて、耐落下性能を問われます。
  • *3 キャリアデータ通信/キャリア通話にはSIMが必要で、機種によりSIMのソケットがあるものと無いものがあります。SIMソケットがないものはSIMを利用できません(無線LAN専用ということになります)。また、SIMを利用できるものでも、(特に外国製では)ハードウエアの対応周波数により使用に制限があるものがあります。また、キャリア通話はできない機種が一般的です。SIMによりキャリア通信網を利用する場合は、通信契約や通信料の継続的な支払が必要になります。

 

Androidスマホをハンディターミナルとして利用できるか?

 SIMなしAndroidスマホには廉価なものがあることから、ハンディターミナルとして利用できるのではないかとの考え方もあります。結論から先に言うと「可能です」。ただし、以下に注意し、ご理解の上ご利用ください。

【バーコード読み取りに関して】
 スマホには1D/2Dバーコード専用リーダーはありませんが、アプリケーションにより、内蔵カメラを用いてバーコードを読み取ることができます。ただし、専用リーダーに比べて読取速度、認識率はそれなりです。また、読取用の特殊照明(レーザ)がありませんので、照明の弱い場所での認識率は低くなります。以下の「Androidハンディターミナル・サンプルアプリ」でお試しください。
 逆に言えば、安定した照明がある屋内であれば、Androidスマホをハンディターミナルとして利用できる可能性があります。
 Androidスマホによるバーコードの読み取りに関しては、バーコードの読み込みの簡単なサンプルアプリを以下にご用意しておりますので、試していただくと良いかと思います。
 →Androidハンディターミナル・サンプルアプリ・ダウンロードページの【Androidスマートフォン】をご覧ください。
【液晶タッチパネルに関して】
 Androidスマホはトリガーボタンやテンキーがなく、液晶タッチパネル操作が主なので作業手袋による操作感度は低く、標準設置されているボタンをトリガーにするなどのアプリケーションの配慮が必要です。
 作業手袋をしない現場であれば、Androidスマホをハンディターミナルとして利用できる可能性があります。

【ハードウエアの物理的強度に関して】
 防塵防水に関するカタログ上の規格値は、AndroidスマホでもAndroidハンディターミナルでもそれほど大きい違いはありません(各ハードウエアのカタログでご確認ください。)。ただし、落下等の物理的な耐衝撃性に関しては、Androidハンディターミナルは、検査済みである場合が多く、優れていると言えるでしょう。
 したがって、落下が頻繁に発生する、床が硬いなどの使用環境の場合は、Androidスマホのハンディターミナル利用は避けた方が良いかもしれません。

 

Androidハンディターミナルの豊富な機能

 Androidハンディターミナルは、単なるバーコード入力装置ではありません。アプリケーションにより以下のような機能を利用することができます。Androidハンディターミナルを利用したシステムでは、これらの機能を組み合わせたソリューションを提供できます。

① 液晶タッチパネルへの情報の表示
② 1D/2Dバーコードの入力
③ 液晶タッチパネル/テンキーからの数量、メモなどの入力
 Androidスマホと同様Androidハンディターミナルの液晶タッチパネル(画面)の解像度は高く、様々な情報を豊かな表現で表示させることができます。また、ラベルや管理表、製品、製造設備等の1D/2Dバーコードを読み取り、バーコードに紐づけられたデータと組み合わせての様々なデータ処理が可能です。例えば製造、工程管理。入出庫管理等に利用できます。
 併せて、バーコードデータのみでなく、数量、メモ等の文字情報のデータの入力が可能でデータの補完ができます。

④ 内蔵カメラによる撮影画像との連携
 Androidハンディターミナルでは、標準的に内蔵カメラを装備しており写真撮影が可能で、①②③のデータと組み合わせたデータ処理。例えば製造完成品や事故品の撮影画像を製造データと結びつけて管理する等が可能です。

⑤ 無線LANによるサーバ/基幹システム等とのデータのやり取り(データ通信)
 サーバ/基幹システムで管理されているデータの一部をハンディターミナル上でリアルタイムで参照したり、それらのデータに追加、更新する等が可能です。

⑥ Bluetoothによるプリンタ等周辺機器との連携
 モバイルプリンタによる、伝票のその場での印刷等が可能です。

⑦ 地図情報や位置情報との連携
 現場や目的地へのナビゲーション(案内)。発生地点の記録を①②のデータと組み合わせデータ管理する等(*1)が可能です。

⑧ 屋外での利用でも、キャリア通信網を介したインターネット/クラウドとのデータのやり取り(データ通信)(*2)が可能です。

  • *1 GPSの利用できる機種と利用できない機種があります。また、屋外での地図情報のリアルタイムな表示にはキャリアデータ通信を用いるのでSIMが必要です。地図情報を利用する場合は、地図情報提供企業からの有償ライセンスの取得が必要です。
  • *2 SIMが必要です。

 

サーバ側システムとの連携

 Androidハンディターミナルを利用したシステムでは、ハンディターミナル内のみで処理が完結するものは皆無で、サーバ(データの処理や蓄積を担う専用PC)と通信して相互にデータをやり取りし、サーバ側ではそのデータを管理し、抽出、加工し活用するシステムを稼働させます。
 従って、Androidハンディターミナルのシステム構築には、ハンディターミナルのアプリケーションのみでなく、データ通信用設備やサーバの設置、サーバ側システムの開発も併せて必要になります。 弊社では、Androidハンディターミナルのアプリケーションとサーバ側システムを合わせて、最適なソリューションをご提案させていただきます。